今回のローグライトを開発した経緯について、大まかですが触れておきたいと思います。
1. 最初は単なる願望
いつからか無料ゲームサイトやSteamを開くと、どこかのスペースで対戦カードゲームやローグライトのようなカードを使うゲームが表示されるようになり、何度も目にするうちに自分でも作ってみたいと思うようになりました。とはいえ、簡単ではないことも理解していたので、当時は機会があれば出来たらいいな、ぐらいの願望でした。
2. 良いゲームに出会って触発される
2025年7月にフリーゲームを探して遊んでいたら、以下のゲームに出会って夢中になり、改めてカードゲームかカードを使うローグライトを作りたい気持ちが強くなりました。
【ジャストリーサル】
https://freegame-mugen.jp/puzzle/game_11048.html
(作者サイトがHTTPS非対応のため、上記はゲーム投稿サイト『フリーゲーム夢現』のページ)
最初に選択したキャラクターや難易度によって初期デッキが決まるカードバトルゲームです。敵もプレイヤーと同様にデッキからカードを引いて攻撃してきますが、こちらに手札が見えているので、ある程度の対策は取れます。
カードゲームの経験が少ない自分でも、チュートリアルや難易度設定、魔力解放や特殊アイテムなどのゲームシステムに助けられて、十分に遊ぶことができました。
【NIJICA(サービス終了)】
https://store.steampowered.com/app/3603080/NIJICA/
(Boothのダウンロードページはアクセスできなくなったので、上記はSteam版のページ)
『にじさんじ』をテーマにした同人カードゲームです。カードごとの能力がだいたい1~2種類(例外あり)なので覚えやすく、分からないうちはコストの小さいカードを並べるアグロ戦略でもCPU戦は楽しめます。ソロモードのバリエーションも結構多く、1人用のカードゲームとしても楽しめました。
3. 転機はツクール
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| RPGツクールMZ |
2025年10月にSteamでセール中のRPGツクールMZとMVを購入しました。フリーゲーム紹介サイトにアクセスしていれば必ず目にするソフトなので気になってはいたものの、触る機会が無いまま長い歳月が経っていましたが、今回これなら買ってもいいかな、と思う価格だったので買うことにしました。
早速自分なりにRPGを作り始めてみましたが、そこで気づいたのは、RPGツクールが基本機能で提供するゲームシステムは微妙に既存のRPGと異なっており、もし自分が知っているRPGの要素を入れたいならプラグイン(JavaScript)を組み込む必要があるということでした。
それ以来、プラグインを利用しつつ書き方も勉強した結果、自分のゲーム専用の小さなプラグインを書いてみることも出来るようになりました。
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| ツクールの素材画像を使ったオープニング画面の例。 この後の未来を暗示しているようにも |
最大の転機はTorigoyaMZ_QuickSkill.jsで、使い方の説明を読んで試しているうちに「MPをマナポイント扱いにしてカードの代わりにスキルを使うようにすれば、カードを使うローグライトのような動きが実現できるのでは?」というアイデアが頭に浮かび、そのアイデアが非常に気に入ったので本腰を入れて制作していくことにしました。
Torigoya ターン消費なしスキル - TorigoyaMZ_QuickSkill.js - #ツクプラMZ
https://plugin-mz.fungamemake.com/archives/938
さて、既存のローグライトと似たようなものを実現しようと思うと、コスト制限のあるスキルだけでは不十分で、沢山のバフやデバフのアイコンを表示できた方が、それらしくなります。当時の自分は既存のプラグインのJavaScriptにも手を加えられるようになっていたので、ステート横並びプラグインと累積ステートプラグインを改変して組み合わせることで、カウンターを併記したバフやデバフのアイコンを表示できるようにしました。
NUUN ステート横並び表示 - NUUN_StateIconSideBySide.js - #ツクプラMZ
https://plugin-mz.fungamemake.com/archives/3728
累積ステートプラグイン (v1.0.9) - KEN_StackState.js - #ツクプラMZ
https://plugin-mz.fungamemake.com/archives/8014
| カウンター付きステートを表示する例 |
ビジュアルやサウンドを充実させるため、各種素材を購入しました。例えばキャラ画像は以下の素材を購入して、asepriteで一部改変して使用しました。
ここで想定していたローグライトは、プレイヤーがゲームを開始するとキャラ選択画面が表示されて、キャラごとの特徴が説明されます。
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| 制作中だったローグライトの開始直後の画面(タイトルは仮) |
次にマップ画面が表示されて、ランダム配置された敵キャラや宝箱、イベントやショップなどを通って最後にボスを倒すとクリアです。マップは常に3択になるように、過去に選択しなかった通路は使えなくなります。このようなマップを繰り返し攻略します。
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| 制作していたローグライトのマップ画面 |
4. そして泥沼へ
制作作業としては、この時点で既に悪い流れにハマっていました。
例えばクイックスキルはわざわざ注意書きに「複雑なことをするとおかしくなる可能性があります」とあるように、RPGツクールの処理の中では例外的な動作をしているのですが、自分は既存のローグライトで見かけた色々な機能を実現するためにクイックスキルを拡張しようとしてツクール本体の動作と不整合を起こし、断念するのを繰り返していました。
ある時は奇妙な興奮状態のまま、メモ帳に数日前と似たような実現性の怪しいゲームのメカニズムを最初から書き直していました。
またある時は、ツクールを起動して武器リストや魔法リストを思いつくままに埋めた後で「こんな大量の数値の妥当性をどうやって確認するんだ?」と途方に暮れたりしました。
特にツクールとは関係ない部分で頭を悩ませたのが、ゲーム内の攻撃力やHPの数値の範囲をどうするか、という点でした。読みやすさと分かりやすさを優先してパラメーターを1~9の範囲に収めると海外のカードゲームっぽくなりますが、そうすると1ポイントの違いが大きな差を生むことになるので、これはこれで全体の調整が難しくなりました。
そろそろRPGツクールのイベントエディタとプラグインのJavaScriptの間を行ったり来たりすることに限界が来ていました。
5. 興奮の終わり
ここから撤退が始まり、せめて短時間で終わるタイプのツクールゲーに出来ないかと、開発規模を縮小する目的でクイックスキルを外そうと思ったこともありましたが、もはやそんなことを実行する余裕もなく、最後は製作の継続そのものを断念しました。断念の一番の理由は「やろうとしていることが自分には大きすぎて管理できない、妥当性の検証も出来ない」という点でした。
とにかく色々なものを放り込むことはできたものの、自分の手には負えなかった、というのが振り返ってみた印象です。
※ちなみに、クイックスキルの名誉のために付記しておくと、クイックスキル自体はちょっと変なケースでも動くように高度な対策が実装されており、一方でRPGツクール本体の処理の流れのような簡単には変えられない部分と衝突するような改変を試みると、さすがに上手くいかない、というのが実態でした。これは自分の事前確認の不足が招いたことです。
6. 堅実さを取り戻す
2026年上旬に、一本道を歩くシンプルなローグライトを作ることを考えました。
前回の反省を踏まえ、手札のカードに書いてある数値が歩数とパワーを兼ねるシンプルな仕組みで、四角いマス目が直線状に並んでいるマップをまっすぐ進んでゴールを目指す想定でした。
結局、開発には至らなかったものの、ゲームシステム全体をシンプルにするアイデアは、後の開発に引き継がれました。
2026年の夏が始まった頃、今回のローグライトの開発を始めました。
ただし、ビジュアルや音声をいきなり放り込んで始めるのではなく、まずは構想の中のカードが実際に遊べるのか検証するため、テキスト中心のプロトタイプを作ることにしました。
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| プロトタイプ |
画面のほとんどの領域は1個の大きなテキストボックスで占められ、現在の状況を表すメッセージが次々と表示されます。分岐があれば画面の一番下にあるリストボックスで選び、ボタンを押して決定します。
2026年8月にプロトタイプの開発と調査が完了し、テキスト中心で遊んでも面白かったので、正式に開発を進めることにしました。この時点のカードの種類は17枚で、現在とラインナップが若干違っていました。(ゲーム公開時は21枚)
それから、やっぱり大変なことは大変で色々ありましたが、ようやく目的のローグライトが完成し、2026年10月4日に無料ゲーム投稿サイトのGodot Playerで公開することができました。
今回のローグライト開発の方で起きた色々な問題と奮闘については、また別の記事で触れたいと思います。






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