2010-10-08

32×32ピクセルでキャラを描く→4ピクセルで右手だけ描く

自作ソフトのアイコン用などでドット絵に腐心していた頃、色数や形状にやたら細かいルールを決めていた。
例えば32×32のキャラ絵なら、全体を頭・胸・腹の3つに分ける。この時点で、一度に考えるべき領域が1/3に減る。頭部は髪と顔、胸部は胸と腕、腹部は腹と脚に分ける。さらに手足は左右に分かれるので、全体のピクセル数が少なければ、一度に考える領域は数ピクセルで済む。
結果、「32×32のキャラ絵」が、分割することで「4~6ピクセルで右手だけ描く」に単純化される。

決められたルールの中で表現する長所は、理詰めでルーチン化して描き進められることと、事前にゴールが分かっている安心感だ。
逆に、大きな画用紙を渡されて「自由に描いてごらん」というのは恐怖だ。キャンバスの解像度が3桁だったりベクタツールだったりすると、途端にゴールが描けなくなって不安になる。

体験から得た結論は月並みなもので、「ゴールの見えない作業は不安だ。ルーチン化はゴールを見えやすくしてくれる。ただし、新しい世界に対応するのが一層難しくなる」ということだった。

プログラムに関心の無い人向けのプログラミングは...

5年ほど前、色々な人が参加している作業で100個くらいのファイルを改名する必要があった時、プログラムをVBScriptで書いて配布した。
素のVBScriptがどれだけショボい代物かは皆知っていた。が、パソコンの中身から使う能力までバラバラな環境だったので、数十行のvbsファイルをばらまく方が楽だったのだ。

最近、書店へ行ったら、Twitter BOTに関心のある人にRubyをインストールさせて、数行でいかにクールなことができるかを紹介する本を見かけた。
パソコンの使い方でアドバイスしたことがある人なら、ソフトウェア開発に関心の無い人にその手の環境をインストールさせるのが、どれだけ骨が折れる作業か知っていると思う。
今では、スクリプト言語のランタイムをまるまるインストールする代わりに、Webで何か書くと実行から公開までやってくれるGoogleガジェットのようなサービスがある。もちろん、とりあえず手元でJavaScriptを動かすのもスタートラインとして良いと思う。

不特定多数向けにプログラミング寄りのことをさせる場合、巨大なAPIリファレンスの最初の1ページを読んでもらえるよう期待するよりも、やりたいと思った時に始められて「やーめた」と思ったらやめられることの方が重要だと思う。ゲームとか動画とか、興味をひかせるものが沢山ある中では、なおさらだ。